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真似のできない、本物の醤油――330年以上もの歴史を背負って立つ堀河屋野村様の「ものづくり」

ブログ「ラディッシュ・イズム」では当社の食づくりを支えてくださる大切なお取引先とラディッシュとの繋がりについて紹介しています。今回は、1688年(元禄元年)創業、日本でもっとも古い蔵の一つともいわれる和歌山県御坊市の「堀河屋野村」について、当主・野村様に直接お伺いした話を交えてご紹介します。

日本最古といわれる蔵

堀河屋野村の歴史は、今から330年以上も前の元禄時代にまで遡ります。日本最古ともいわれるその蔵は、創業当初は船を使って物資を運ぶ「廻船業(かいせんぎょう)」を営んでいました。当時、紀州から江戸へと船を出す際に江戸の役人や商人への手土産として自家製の醤油を造って持参していたのが、現在の看板商品である「三ツ星醤油」の始まりだそう。

廻船業を生業としていた堀河屋野村ですが、あるとき大きな転換点を迎えます。大規模な海難事故が発生し、大切な船を失うことになるのです。創業以来の困難に直面した先代たちは、それまで手土産として培ってきた醤油・味噌の製造技術を活かし、製造業へと本格的に舵を切る決断をしました。

こうした荒波を乗り越えてきた歴史をもつ堀河屋野村の現当主・野村様は、「醤油をただ売るのではなく、お客様にその深い味わいとともに、私たちが歩んできた歴史そのものを感じてもらいたい」と語ります。

「三ツ星醤油」という本物

堀河屋野村が造る「三ツ星醤油」は、まさに本物と呼ぶにふさわしい逸品だと私たちは考えています。理由の一つは、創業当時と変わらない「古式製法」を今なお頑なに守り続けていることです。

その工程は、すべてが職人の手作業と五感によって進められます。醤油の命ともいえる麹(こうじ)は、機械に頼らず職人がつきっきりで「手麹」によって命を吹き込みます。さらに、大豆を蒸し、小麦を炒る工程、そしてもろみを搾る前段階の熱入れには、ガスや電気ではなく、今でも「薪(まき)」をくべて火を入れます。薪の炎は温度調節が極めて難しく、常に炎の揺らぎや煙の様子を観察しなければなりませんが、この薪火による独特の柔らかな熱の入り方が、三ツ星醤油にしか出せないコクと香ばしい香りを生み出します。

発酵を人工的に止める発酵抑止剤や、長期保存のための保存料などの化学的な物質は一切添加しない、手間ひまのかかる醤油造り。効率化が優先される現代においても、造り手である野村様は「食べ物が体を作り、体が心を作り、心が文化を作る。そしてそれを守っていくことが、私たちが歴史を背負うということ」と意に介しません。

ごまかしのない食べ物は、人の健やかな体と心を育み、ひいては豊かな地域文化を形作っていく。どんなに手間や時間がかかろうとも本物であるための製法を貫かれている姿勢に、私たちを含め多くのファンが魅了されるのです。

異なる文化が交わったとき

ラディッシュと堀河屋野村との出会いは、今から十数年ほど前に遡ります。長年お付き合いのある方からの紹介がきっかけで、何度か野村様から直接「醤油」についてのお話を伺う機会をいただきました。

一方で、九州には独自の「甘口醤油」の文化があり、地元の人たちが慣れ親しんだ味と和歌山の伝統的な醤油とでは、風味も味わいも異なります。野村様自身も「九州には異なる文化があり、親しまれている醤油の味も違うため、当初は積極的になれなかった」と当時を振り返ります。

その文化の壁を打ち破ったのが、互いの「イズム」でした。野村様から見て、ラディッシュは「自分たちが本当に良いと思うものを販売しているお店」であり、単に「売れるから」という経済合理性だけで商品を選ぶ会社ではない、と感じられたそうです。

「ただ店頭に並べて売るというのではなく、惣菜の味付けに使うことふくめてお客様に直接美味しさを体験してもらい、『本物の味とは何か』を伝える啓蒙をしてくれているのだと思います。そこに深い愛情を感じるのです」と、言葉を寄せてくださいました。価値を正しくお客様に届けるという互いのスタンスが、異なる文化の壁を越えて両社を引き寄せ信頼関係を結んできたのです。

家族に食べさせられるもの

どれほどの苦労や時代の変化があろうとも、堀河屋野村が「手麹」や「薪火」といった製法を変えず、こだわり続けてこられた理由。その根底にあるのは、「自分の家族に食べさせる物をつくっている」という強い自負と良心です。野村様は、蔵で働く従業員も、そしてその醤油を口にしてくださるお客様も、すべて大切な家族だと捉えています。自分の家族に、体に悪いものや偽りある食べ物を食べさせたくないという想いが、妥協を許さないものづくりの原動力になっています。

この「家族に食べさせられるものを」という想いは、まさにラディッシュが掲げる「良店宣言」が目指すところです。自分の家族や子どもに安心して食べさせられる本物の食品をお客様にお届けしたい、という確かな共通点がここにあります。

先代たちが築き、現代へと受け継がれてきた堀河屋野村の「三ツ星醤油」。こうした本物の味わいと造り手の情熱をお客様に伝え、次の世代へと繋いでいくことが、ラディッシュが担う役割なのだと改めて気づかされます。

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